管理職養成12回コース

◯◯にこだわっている限りリハビリの未来はない?【臨床共育マネジメント】(18)

目的と手段

From:IAIR副会長 齋藤 信

 

ある二人の療法士がいた。

彼らはとてもよく似た二人で、同じ養成校の同期、成績もどっこいどっこい。

親友……という程ではなかったが、同じ病院に就職して七年目に結婚。子供が生まれたのも同じ年。

本当によく似た二人だ。

だが、更に三年後の臨床十年目、養成校主催の同窓会に顔を出した時、二人の様子は違っていた。

一人は表情に精気があふれ、話も常に前向き。そこにいるだけでリハビリも仕事も人生も楽しい、そう伝わってきた。

一人は眉間に深いシワが刻まれ老けて見えた。話題は上司と後輩への不満が肴の愚痴話。一緒に話している同期たちも引くほどに嫌な空気を振りまいていた。周りに似たような表情の同期が集まり、卑屈で斜に構えた笑い声の中心になっていた。

臨床十年目までの三年間、彼らに一体どんな違いがあったのだろう?

 

◆ 何が決定的な違いを生み出したのか?

みなさん、突然の物語で始まりましたが、何を感じましたか?

あなたの過去の記憶のどんなところを刺激したでしょう?

まあ、それはさて置いて、改めて質問です。

「彼らに一体どんな違いがあったと思いますか?」

この質問に一つでもいいので、あなたなりの回答をしてから読み進めてください。

 

◆ 正解はない、回答することこそが正解?

ちゃんと考えましたか?

無意味に質問しているわけではありません。

たった一つでもいいので、ここで回答することが大切です。

なぜ……って、そこにはちゃんと目的があるからなんです。

もう一度チャンスを差し上げます。あなたなりの回答ができたら読み進めてください。

 

◆ 決定的な違いが生まれた瞬間は今?

さて、これを講義で行なった場合は直接あなたの回答が聞けるので嬉しくも楽しいワークになりますが、残念ながら直接聞けませんね。

色々な回答が出てきていることでしょう。

実はここでの正解は先ほど言った通り「回答する」ことです。

内容なんてどうだっていい。(おっと失言)なぜなら、回答しなかった人にはある傾向があるからです。

それは「行動しない」というもの。

行動しない事で、すでに行動したあなたとの違いが生まれているのです。

 

◆ でも、それだけじゃない?

じゃあ、二人の療法士の違い、この正解は「行動」かと言えば半分……いや二割正解。

行動しないという選択をしたその理由こそがもっと根深い原因です。

それは「目的」で行動したか、「手段」で行動したかの違い。

これこそが、たった三年間で二人を大きく変えた違いの根本なんです。

 

◆ 一般の療法士は手段が大好き。

面白いことに、患者さんには……あるいは学生さんや後輩には目的、目標をしっかり作ってリハビリをしましょうと言います。

ですが、一般的な療法士は手近な手段……テクニックだったり、勉強だったりを好みます。

このみますが、それらがあなたの身になり、実となったかと言えば、ほとんどがノーでしょう。

なぜか?

実際のところ、その療法士自身の仕事や人生に目的や目標を見いだせずに、毎日を送っているからです。

 

◆ 目的志向で自分のリハビリをしよう!

そう、この二人を決定的に分けたのは「目的」だったのです。

目的がある療法士は、同じ勉強をしても、必ず身になり実のある学びを得ます。なぜならその目的からブレずに、目的に向かうためにつなげながら学ぶからです。

ですが、手段を優先させる療法士は、無目的……というより手段の為に目的を変える傾向があります。だから不満を不満としてしか考えられず、ネガティブな表情として眉間にシワが刻まれていくのです。

今、あなたの頭の中では、最近の自分の行動を思い出していることでしょう。

手段型の療法士と同じ行動をしていて、否定したくなったかもしれません。

目的型の療法士と同じ行動が多くて安心したかもしれません。

どちらであっても大丈夫です。

今、あなたは自分の目的を考えています。

何からかの回答を導き出そうとしています。

ある意味、あなたはあなた自身のリハビリ中です。

今一度、あなた自身の目的を振り返ってください。

大丈夫、あなたなら見つけられます。

ここまで読んでくれたあなたは、すでに「目的志向型療法士」なのですから。


IAIR副会長 協会理事

臨床共育メンター 齋藤 信

追伸

近日、これまで行ってきたマネジメント講義を公開していきます。

サイトーゼミで公開したものから、先のゴールデンウイークに行った新講義まで。

公開まで少々お待ちを!

 
目的と手段

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    ABOUTこの記事をかいた人

    精神科にて13年勤務し、心身へのアプローチ法を習得、実践して来た。
    IAIR顧問の仲村に師事。認定アドバンスインストラクターとなる。
    2013年に独立し、精神科作業療法士に自信を取り戻してもらう事を目的に、齋藤の行ってきた作業療法の構成法や身体アプローチ法を伝える講習会活動を本格的に開始。年間のべ1000人以上の療法士に教鞭をふるう。
    より科学的なエビデンスをアクティビティに取り入れるため、セロトニン研究の第一人者東邦大学名誉教授有田秀穂医師、脳と学習の世界的権威トニーブザン氏らに師事。精神科で行われている作業療法やレクリエーション、集団セッションの可能性が大きく広がる。