第三回IAIR学術大会10/28.29

「足首がぐらついて、捻挫しそうで怖い…」実生活に活かせる歩行動作を再獲得するための方針の立て方とは?

 

ハロー! 

毎週月曜に登場しております、
「体験を創造する」関東支部インストラクターのOT・吉田頌平です。

さて今回は、
「足首がぐらついて、捻挫しそうで怖い…」と悩む
6年前に脳梗塞(T-cane独歩自立レベル、上肢マヒはなし)と、
数年前に膝の人工関節術を経験された男性との
リハビリ体験をもとに、

どうやって実生活で安心して歩けるかを考察します。

 

「いつも転びそうな気がして、おっかなくて…」

外来で受付をされる時から、
すでに健側下肢とT-caneに寄りかかるようにしながら
恐る恐る患側下肢(マヒ側、膝手術側)をすり出して
歩いておられました。

よく見ると、手には包帯が巻かれており
「こないだ転んじゃいまして、その時に手を捻挫したんです」
とのこと。

「もう、左足を突くのが怖いんですよ…」
「いつも転びそうな気がして、おっかなくて…」

恐怖心が先行し、
かえって危険な歩容になっているようです。

 

どこへアプローチしますか?

さて、5分ほどお話を伺ったところで
15分間お身体に触れる時間を頂きました。

もし、あなたがこの患者さんとリハビリを行うとしたら、
どこへアプローチしますか?

・患側下腿三頭筋の働きを確認し、
 足関節の安定した動きが出せるように促通する。

・患側下腿の終末回旋運動が出現し、
 大腿四頭筋で膝を安定させられるように
 患側の大腿四頭筋を促通する。

確かに大事なポイントです。
左下肢でしっかり身体支持できるように、
この方の身体感覚にフィードバックすることも大切です。

ですが、ここで注目して頂きたいのは、
健側股関節同側上肢の動きです!

患者さんの言葉を覚えていますか?

冒頭で述べたように、
「患側下肢を突くのが怖いから」
健側下肢とT-caneへ寄りかかる現象が起こっているわけですので

まずは、
1. 健側下肢で身体支持ができることを、患者さん自身で体感できること
が肝要と考えます。

その後に
2. 促通エクササイズを行う

この方が心理的に歩行動作を阻害している因子を取り除け、
患側下肢の十分な筋発揮と機能改善を促すことができると考えました。

この考えをもとに、
私はまず、患者さんが1.の目標を達成できるように

荷重下での健側股関節の動きをスムースにするためと、
患側下肢の振り出しと、安定した股関節荷重を促すのに効果的な
腸腰筋リリース

その次に、T-caneでの過剰な身体支持で硬くなった
手関節〜肘関節〜肩関節のスムースな動きに繋がるように
橈骨頭の調整を行いました。

そして最後に、患側の足関節の内反方向へのぐらつきを抑え、
脛骨への荷重を促すために
患側の腓骨頭の調整を行いました。

この後に、T-caneの使用方法を確認しながら
左右への重心移動を確認しました。

結果、安定した歩容で
ご帰宅頂くことができました。

考えのひとつひとつを、患者さんに合わせて組み換える

私の介入方針自体は、
特に珍しいものではないと思います。

注目して頂きたいのは、
「なぜ、患者さんが困っていたのか?」
という点です。

療法士の視点から見れば、
確かに患側下肢を促通することが
ひとつ大きなポイントとなると思います。

ですが、
促通すること=患側下肢を動かし続けること
では決してないわけです。

「転倒する怖さ」に萎縮して、
患側下肢へ荷重できなかった側面へアプローチすることも
またリハビリテーションですよね。

また、患者さん自身が生活していくのに
安定して歩くことができずに困っていることを考えると、
より実用的な歩行動作を再獲得できる必要があります。

「この方にとって、安心して歩きやすい方法ってなんだろう?」

「なぜ、この方はうまく患側下肢で身体支持できないんだろう?」

この疑問を持てることが、最も大切じゃないかと思います。

そして
そのヒントは、患者さん自身が持っており、
普段の生活でもサインを発し続けているはずです。

もし、そのサインに気づいているけれど
どうしても効果的なアプローチができなくて困っている…

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最後までお読み頂き、ありがとうございます。

 

作業療法士
一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会
認定インストラクター 吉田頌平

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