From:認定インストラクター TOSHI
CVAコラム47回目
「この一つの数式で耐久性を向上できる」
・この方は耐久性が低くて、
だから歩行機会をできるだけ多く入れようと思うんです
・体力がないから、とりあえず離床させていかなきゃ
脳卒中は疾患の特性上、
高齢者が多く、また急性期の臥床期間が長くなる為、
耐久性の低下はリハビリテーションを進める上での阻害因子となります。
ただ、体力を向上させる為には、
どの位の負荷で、どんな運動を行えばよいのかは
人それぞれ異なります。
それらを考えていく上で大事な数式があります。
それは、fickの法則です。
Vo2=CO×a-vO2.diff
この式を紐解いていくと、
患者さん個々に合わせた体力へのアプローチのやり方が見えてきます。
これではよく分からないので言葉にすると、
酸素摂取量=心拍出量×動静脈酸素較差
となります。
まず左辺から詳しくみてみますと、
・酸素摂取量
体力を表しています。人が活動し続ける,
つまり筋肉を動かすにはATPが必要ですよね、
そのATPを無理なく作り続けるはTCAサイクルを回し続けなければいけません(有酸素運動)。
TCAサイクルを回すには酸素が必要です。
よって体力の指標として酸素摂取量が挙げられています。
・心拍出量
心臓が送り出す血液の量です。より具体的にみると
心拍出量=一回拍出量(SV)×心拍数(HR)となります
・動静脈酸素較差
最も聞きなれない言葉ですね。
動脈血に含まれる酸素の量と、静脈血に含まれる酸素の量の差を表しています。
言い換えると末梢の筋肉にどれだけ酸素を受け渡すことが出来たか、です。
まとめると、
単位時間あたりの心臓から拍出された血液量と
末梢に受け渡せた酸素の積で
体力が規定される
しばらく生理学に触れていなかったら、
そろそろお腹一杯かもしれませんね。
さて、ここからが大事です。
これを基にしてリハビリを組み立てるには
どの要素が高めることができる可能性があるかを考えていきます。
要素としては
・一回拍出量(前負荷、心筋の収縮力、後負荷)
・心拍数(自律神経)
・動静脈酸素較差(ミトコンドリア、ミオグロビン、毛細血管、筋繊維のtype)
が挙げられ、カッコ内にはそれを規定する因子を幾つか挙げました。
これらの因子に対してアプローチする訳です。
今日は最後に一番効果・汎用性が高い、
動静脈酸素較差についてのアプローチを紹介します。
「レジスタンストレーニング」です。
低負荷高頻度で行うことがポイントで。
上肢の場合は1RM(1回反復できる最大重量)の30〜40%、
下肢の場合は50%〜60%程度の負荷で回数は10〜15回、
息を止めず、息切れせず行える範囲であることを確認しながら2〜4セット、
週2〜3回のペースで行います。
運動の内容としては
ペットボトルを持って腕を動かしたり、重錘を足首に巻いて動かしたり、
自重でも強度に見合っていれば構いません。
可能な限り大筋群を使う複関節運動であると良いとのことです。
出典 心疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2012改訂版)
脳卒中のリハビリにおいてもベースとなる身体の体力が備わって無ければ、
訓練効果が現れてこないかもしれません。
普段、あなたは耐久性が低い方に対してどのようなアプローチを行っていますか?
耐久性を構成するどの要素に行っているか明確にしていくと、
効果的なのか、非効率なのか、リスクを高めるだけだったのか、
はっきりしてくると思います。
このコラムでは脳血管障害について、
今までの経験や知識を交えながら書き、
あなたの臨床観を少し広げるお手伝いをできればと思います。
ありがとうございました。
関東支部 認定インストラクター TOSHI
追伸1
次回は一回拍出量やその他の要素について、紹介します。
脳卒中だと特に心臓に負担はかける行為はリスクが有るなかで、
どのように考えていけばよいでしょうか。
追伸2
体力とは実はもっと幅広いものであり、
今回は全身の持久力についてピックアップしています。
栄養や睡眠状況や精神状態も勿論加えて、進めていくべきです。
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